創業３５年目を迎えます ～いつもありがとうございます～

当社は、２０２３年９月で創業３５年目を迎えることができました。創業３０年目にここで御挨拶をさせていただいたのが、つい昨日のことのようです。引き続きお客様とお仕事、ご縁と流れに恵まれ、この日を迎えました。改めて関係者の皆さまに御礼申し上げます。

３５年という時間はとても長いものです。わたしは来年５０歳になりますが、わたしが中学３年生の時に当社は誕生したことになりますので、中学生が５０歳になるだけの時間を、当社は生き抜いてきたことになります。

わたしで三代目となる当社ですが、代々の交代は、親子肉親、地縁血縁で引き継いできたわけではありません。ふとした流れとご縁に恵まれて、第３者間で三代引き継ぎながら、３５年という時間をフロウ（ＦＬＯＷでも浮浪でも良いですが（笑））してきました。

どんな道程であれ、当社が３５年存続してこられた要因はなんだったのか、と問われれば、それは「インディペンデントな実存を目指してきた」ということに尽きるのではないかと考えています。

派手さや華やかさもない、流行り廃りにもあまりついていかない（いけない）、目を凝らさないと気づかないほど小さな存在ではありますが、トップページに掲げています「当社の３つのポイント」にあるように、直取引９０％以上を維持し、長いものに巻かれずに、手作りで自前の田畑を耕し種をまき、お取引先全ての皆さんとの手触りと温度を大切にしながら、正直に誠実に田畑の手入れをしてきたことが、この３５年でいくつか起きた社会変動や動乱を超えて存続を可能にしてくれたのではないか、と考えます。

もう１００年近く前にアメリカで作られたスタンダードソングで、日本でも戦前に堀内敬三さんが訳詞し、藤山一郎さんやエノケン（榎本健一）さんはじめ、多くの流行歌手によって歌われヒットした「私の青空」という曲があります。その歌詞に「狭いながらも楽しい我が家」という一節があります。歌は軽快なポップスであり、「狭いながらも」に皮肉や悲壮はまったく感じません。本当に楽しそうで、ある意味「狭いことへの誇り」さえ感じます。

戦後社会は、戦後復興⇒高度経済成長⇒消費社会化⇒グローバリズムといった８０年近い流れの中で、世界は「大きい」「広い」「高い」などの、いわば「重厚長大」を目指して発展し、いまでもその流れが続いているのが現状と考えます。重厚長大の対義語は「軽薄短小」ですが、前者の「なんかすごそう」感と、後者の「なんか取るに足らなそう」感は、戦後からずっと続いている価値観ではないかと思います。

エニウェイは、狭小な企業ながらも、そこにきちんと思想と矜持があり、手触りがあり、実りがある、３５年手作りしてきた田畑を絶やすことなく、今後も丁寧に手入れをしながら、次の５年、１０年の存続を果たしていきたいと思います。「私の青空」のように「狭いながらも楽しい我が社」と社内外に感じていただけるよう、地道な活動を続けてまいります。

今後とも、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

令和５年９月１日

株式会社エニウェイ　代表取締役

秋葉　健史